MUKU-DATA  伐採された欅 新潟市

ながくその場所に生き続け地域を見守りきっとシンボル的存在であった欅。
落ち葉や大木に集う鳥の音が煩いと近所からの相談で、やむを得ず伐ることになったらしい。
今朝ニュースを見ていたら神社敷地から大きな欅が道路にはみ出し
近隣から危ないのではみ出た分を伐って欲しいと頼まれているが
先代から受け継いだ神主は、ご神木だと言い伐らずにそのままにしていて問題になっていた。
ちょっとだけ不快で不都合な自分だけ都合・・
でも世論、近隣の声の力に今の時代は従わざるを得ない。。
いづれも樹齢は100年以上の大木だからもともとそこにあったんだろうに。。。
そして地域のシンボルとなっていた事だろう。
窓の外の木は季節毎に色を変え、都度色んな鳥たちが遊びにくる。
鳥の囀りやそよ風になびく葉の音を聞いているといいなぁと思う事が多いのだが
実際に猛烈な落ち葉や枝枯れの危険など経験がないので
どれほど大きな木の横に住む事が大変なのか?想像があまりできないので
このことに関しては肯定も否定も自分はできない。
昨日会社にお電話をいただきこの欅のことで相談に伺った。
代々長くこの地に続く家系で(約500年と言われていた)今85歳と言っていたが
80代なんてみえないほどお若くお元気でいらっしゃった。
何件か業者の方に見てもらったけど、薪にするのもどうも忍びなく・・
数日この欅の事をずっと考えている感じでした。
ご先祖様への感謝の想いと共にこの欅の木へも同じような想いがあることが伝わってきました。
主は地域にも貢献されているようで
実費で地域のみんなが交流できる場所である「地域の茶の間」を建設され運営もされている方でした。
それがなんと偶然にも数年前に弊社から杉の床材、木の造作材など納品されていた施設だったのです。
インターネットで検索して弊社にお電話くださったそうですが、
なんだか、きっともともと欅の方が立木の時から既にいづれ伐られることを知っていて
弊社と見えない交信をして繋げてくれたのではなかろうか・・と感じたりします。
春になったらこの欅を引上げ、最もいいかたちで
何かに残せるようにできればと思っています。
蘖(ヒコバエ)出てくるといいですね。
そして昨日夕方近く、根曲がり杉が持ち込まれた。
新潟と言えば根曲がり杉、
昔は盛った梁材、入母屋の隅木などに重宝された曲り木だが、
近年は求められずにこれらは山でどうなっているのだろうか?
市場に出てくる材は直材が主だが、本来の曲りがあったり、2股に分かれていたり
そういった木の方が自然だし楽しい気分になる。
山で木を伐る林業の方からの活用の依頼で弊社に届けられた杉根曲がり部分です。
柏崎方面から持ってきたというが、
レンタカーを借り、製材所に持込み、賃挽きして乾燥させる。
割れてそのまま使えないかもしれないし、その後仕上げにもお金がかかる。
せめて経費分出てくれば御の字かもしれないが・・
こういった形の木こそ、付加価値をつけて皆さんが欲しいと思うものに変えなければいけないと思う。
この木を支えたきた根本付近の大切な部分でもある。
木は安すぎるなぁ・・って思う。
安過ぎる相場があるから、活用したくても、それを製品にして販売できる金額を考えると
そのまま山に置いてきた方が得、ということになってしまう。
世の中はおかしな事が多い。
2019年仕事納めの最終日、
いづれも行き場のない木たちとの出会いがあった。
これはきっと「木」からのメッセージだと受け止めている。

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